台所から水が漏れる状況9つと業者が来るまでに自分でできる対処法
台所は普段から頻繁に使用する設備のため、水漏れが生じやすいです。
水漏れの状況はいくつかあり、症状に合わせて対処することが大事です。
よってまずはどこから水漏れが起きているのか、確認しましょう。
水漏れしやすい箇所はある程度決まっているため、一つずつ見ていけば水漏れ箇所を発見できるハズです。
水漏れを見つけた後そのまま放置してしまうと被害が広がるだけですので、業者到着までに応急処置を施しましょう。
台所から水漏れ漏れる9つの状況と、発見後の対処法について解説します。
台所から水が漏れる状況9つを解説
台所から水漏れが発生する状況は、大きく9つあります。
いきなりシンク下に水が溜まっているのを発見すると、どこに原因があるのか分からず焦るかもしれません。
しかし水漏れが生じる箇所はある程度パターン化しています。
そのため一つ一つの箇所をじっくりと確認すれば、原因を特定できる可能性が高いです。
しっかりと原因を特定できれば応急処置も施しやすくなります。
台所からの水漏れで考えられる状況9つを見ていきましょう。
1.排水管のつまりが逆流
排水管のつまりが水漏れ原因となることがあります。
普段何気なく台所を使用していると、知らず知らずのうちに汚れは溜まっていきます。
排水管は狭いため、汚れが蓄積されれば蓋となり、水の流れの停滞に繋がりやすいです。
このように行き所をなくした水が逆流して水漏れが生じることがあります。
特に台所の場合は、油汚れが詰まりを誘引しやすい傾向にあります。
油汚れに食材のカスなどが引っ掛かり、汚れの核が膨らんでいくため、早めのうちの対処が重要です。
詰まりが大きくならないよう、日ごろから掃除を実施し排水管を綺麗にしましょう。
また、そもそも油汚れを溜めないために、きちんとフライパンや鍋の油を拭きとってから洗うよう習慣づけることも大切です。
2.排水トラップのパッキン劣化
キッチンの排水トラップとシンク本体は、ゴムパッキンによって接続しています。
つなぎ目部分に用いられており、隙間を埋める役割を果たしています。
大きめのゴムパッキンが用いられていますが、パッキンは劣化しやすいパーツです。
樹脂製のため、日々の摩耗に弱く経年劣化を引き起こしやすいです。
おおよそ10年程度経過するとひび割れを起こしたり、硬くなって弾力性が失われます。
ゴムとしての機能が失われるため、隙間ができ、そこから水漏れが生じやすくなります。
そしてシンク下に水が落ちていくという状態になるわけです。
3.排水溝と排水管のナットが緩んでいる
シンク下を見ると分かる通り、排水溝から排水管へ接続する部分にはたくさんのつなぎ目があります。
つなぎ目にはナットと言う部品が用いられていますが、これが緩むことによって水漏れが生じるケースも多いです。
緩みが生じる原因はさまざまです。
何もしていなくても経年劣化によって緩むこともありますし、大きな衝撃が原因となることもあります。
よって地震など自然災害が生じた後は、ナットが緩みやすい状態となっているため要注意です。
緩みがないか確かめ、きちんと閉め直しをしましょう。
ナットの緩みで済めばよいのですが、放置して状況が悪化すると排水パイプが破損してしまったり、排水ホースが外れる可能性もあります。
部屋中が水浸しになり被害が大きくなることから、緩みだけの段階で気が付くことが大事です。
ナットの緩みは閉め直しで元に戻りますので、非常に対処しやすいです。
4.排水ホースのズレ
キッチンのシンクから排水管へ向かって、排水ホースが取り付けられています。
排水管と排水ホースは通常ならきっちりと取り付けられていますが、何かの理由により排水ホースがズレて外れることは案外多いです。
たとえば自然災害などで大きな衝撃が加わった時はズレやすくなります。
シンク下収納にある物を取り出す際に引っ掛かっただけでズレることもあるため、特別な原因がなく外れることも珍しくありません。
シンク下の異常は普段目にする機会が少ないため、発見が遅れがちです。
排水ホースが外れてしまうとすぐに水浸しになりますので、早めに気が付く必要があります。
対処法としては、排水ホースが外れただけであれば入れ直しをおこなうことで元に戻ります。
破損しないよう気を付けながら、再度差し込みましょう。
5.排水ホースの不具合
排水ホースに原因があるケースとして、外れる以外に破けるというパターンも考えられます。
ビニール製のため、鋭いものが引っ掛かると裂けやすいです。
たとえば包丁を誤って落としてしまった際などは排水ホースが破れやすいため注意しましょう。
また、鋭いものが当たるなど直接的な要因がなくても、経年劣化が原因でホースに亀裂が生じることもあります。
いずれの場合もそのままにしておくと水漏れは収まらないため、生じた穴を塞がなければいけません。
応急処置としては、防水テープで亀裂部分を塞ぐ方法が有効です。
ただしテープだと剥がれやすいため、またすぐに水漏れが生じるリスクがあります。
よって根本的な解決策としては排水ホースの交換が必要です。
6.給水管もしくは給湯管の劣化
台所からの水の漏れは、排水だけに原因があるとは限りません。
給水管あるいは給湯管に異常が生じている可能性もあります。
給水管や給湯管の故障原因には、下記のような理由が考えられます。
- ナット部分の緩み
- パッキンの破損
- シールテープの剥がれ
この箇所にもナットが用いられていますので、ナットに緩みがあれば水漏れします。
また同様にパッキン劣化も水漏れを招く要因です。
ナットの閉め直しもしくはパッキン交換にて対処しましょう。
給水管や給湯管の止水栓部分にはシールテープが用いられているため、シールテープの問題によって水漏れしていることもあります。
シールテープによじれや剥がれが生じると、ネジ山と給水管の間に隙間ができてしまい水漏れが起こります。
この場合はシールテープの巻き直しが必要です。
7.シンク本体の破損
配管が原因ではなく、シンク本体の問題な可能性もあります。
シンク本体は頑丈そうに見えますが、やはり長年使用していると脆くなります。
物を強く落とした時の衝撃などでヒビ割れしたり、穴があくこともあるでしょう。
シンク本体が原因の場合は、シンク下に問題が発生している時と異なり気が付きやすいです。
毎日目にする箇所ですから発見しやすく、早めに対処できれば水漏れ被害を最小限に抑えることができます。
対処方法としては、補修材などを用いて一時的に穴をふさぐ方法があります。
ただし耐久性には不安が残るため、予算があるのなら本体交換がおすすめです。
補修材ですとすぐに再度水漏れする可能性がありますので、長く使うのであれば本体交換をしてしまった方が安上がりかもしれません。
8.蛇口カートリッジの劣化
台所から水漏れしている場合、蛇口に原因があるケースも考えられます。
蛇口のポタポタ水漏れは、水漏れ原因の中でも定番ですから、蛇口まわりを注意深く確認しましょう。
近年の蛇口ですと、キッチンの水栓にはシングルレバー混合水栓を用いることが多いです。
シングルレバー混合水栓は内部にバルブカートリッジが使用されていますが、バルブカートリッジは劣化しやすい部品の一つです。
おおよそ10年程度で寿命を迎えるため、経年劣化によって蛇口スパウト周りなどに水漏れが起こりやすくなります。
最初のうちはチョロチョロとした水漏れでも、放置してしまうと激しい水漏れに変わります。
よって水漏れに気が付いたら早い段階でカートリッジ交換を済ませた方が安心です。
9.蛇口パッキンの劣化
シングルレバー混合水栓ですとバルブカートリッジ異常による水漏れが多いですが、2ハンドル混合水栓の場合はパッキン劣化が水漏れ原因となりやすいです。
2ハンドル混合水栓は、水用のハンドルとお湯用のハンドルが別に設けられているタイプの水栓になります。
両者の蛇口開き加減を調整することで、水量と温度を合わせることができます。
一昔前に用いられていた水栓タイプですから、近年の住宅ではあまり使用されていません。
パッキン劣化による水漏れですと、パッキン交換をおこなえば水漏れは収まります。
単水栓や2ハンドル混合水栓のパッキン交換はそれほど難しくないため、工具が揃っていれば自分自身でも修理可能です。
業者が来る前におこなうこと
水漏れに気づき業者を呼んだ後、そのまま待っているだけはNGです。
業者がすぐに来れるとは限りませんし、水漏れの場合は待っている間に被害が広がります。
よって業者到着前にある程度自分で対処しておくとよいでしょう。
早めに対処して一旦水を喰いとめることができれば、被害も少なくなりますし水道代の負担も減らせます。
業者が来る前におこなうべきことを見ていきましょう。
そもそも業者を呼んでよいか確認する
まず、業者を呼ぶ前の段階で、そもそも業者を呼ぶべきか考える必要があります。
特に気を付けなければならないのが、賃貸の場合です。
賃貸ですとお抱えの水道業者が存在することもあり、勝手に自己判断で修理を依頼するとトラブルに発展するケースもあります。
契約時の規約内容次第のため、まずは修理依頼してよいか管理会社へ確認しましょう。
また、分譲マンションの場合も水漏れですと他の住戸へ影響が出ることもあります。
単なる自分の住戸の問題と考えず、管理組合へ連絡を入れておくのが無難です。
止水栓あるいは元栓を閉める
水漏れが発生した後何も対処しなければ、いつまでも水漏れは続きます。
台所の水漏れだけで収まらず、床へも被害が及ぶと腐敗やシロアリのリスクを抱えることにもなってしまいます。
そうならないために、一旦は水が流れている状態を止めなければなりません。
業者が来るまでの応急処置として出来ることは、止水栓あるいは元栓の閉鎖です。
止水栓や元栓を閉めればそれ以上水は供給されないため、とりあえず水は止まります。
修理未経験者でも簡単に閉めることができますので、まずは止水栓あるいは元栓の閉鎖を実施しましょう。
止水栓と元栓の違い
止水栓と元栓はそもそも役割が異なります。
下記の表をご覧ください。
項目 | 止水栓 | 元栓 |
---|---|---|
役割 | 各水栓の水量を調整する | 家に供給される全ての水量を調整する |
開閉方法 | 各水栓付近に設置された止水栓のハンドルを、時計周りにまわす(工具が必要なタイプあり) | 水道メーターボックスの蓋を開け、バルブを時計周りにまわす |
このように家に供給される水量を調整する大本となる装置が元栓で、それぞれの水栓ごとに分岐された装置が止水栓です。
通常台所からの水漏れであれば止水栓を閉めれば大丈夫ですが、給水管や給湯管の止水栓自体に不具合が生じている場合は元栓を閉めましょう。
台所の止水栓を閉めても、たとえば洗面台やお風呂など他の蛇口は使用可能です。
一方元栓を閉めてしまうと全ての蛇口が使えなくなりますので、あらかじめ水を汲み置きしておいた方が安心です。
状況を記録する
水漏れの場合、保険が適用できる可能性もあります。
原因や契約次第にもなるため一概には言えないものの、火災保険の水ぬれ補償が適用されるかもしれません。
また賃貸やマンションなど集合住宅の場合、水漏れ原因が必ずしも自分の住戸にあるとは限りません。
他の住戸における詰まりなどが原因となって水漏れしていることも考えられます。
よっていざという時に補償を受けるため、きちんと状況を記録しておくことが大事です。
水漏れ状況が分かるように、写真や動画を残しておきましょう。
台所水漏れ時に自分でできる対処法
台所で水漏れが生じた際は、業者の到着を待たずに止水栓や元栓を閉めておく必要があります。
また、そもそも軽い水漏れであれば自分で対処することも可能です。
よってまずは自分で状況を落ち着かせてから、業者へ依頼するべきか考えてもよいかもしれません。
ただし修理をおこなう際には、ある程度工具を揃える必要があります。
水漏れ内容にもよりますが、水回りの修理において準備したい工具は以下のとおりです。
必ず用意したい工具 | 出来れば用意したい工具 |
---|---|
モンキーレンチ・ドライバー・ウォーターポンプフアイヤー・カッター | ウォーターレンチ・ピンセット・バケツ |
これらの工具を持っていたり、レンタルできるようなら自分で修理するのは現実的な選択肢になります。
では具体的な修理方法を見ていきましょう。
ホース劣化の場合は防水テープを貼る
排水ホースに亀裂などが生じた際は、防水テープを巻き付けることで一時的に対処可能です。
手順としては以下になります。
- 亀裂した箇所から出ている水を綺麗に拭きとる
- 防水テープをピンと引っ張りながら巻き付けていく
- 数回ほど巻き付けたら適当な長さにて切る
- 防水テープを指でしっかりとホースに圧着し、馴染ませる
防水テープで穴を塞げば、一時的に水漏れは収まります。
ただし防水テープの劣化により再度穴が広がれば結局また水漏れが生じるため、根本的な解決にはなりません。
早いうちにホース自体の交換をおこなった方がよいでしょう。
蛇口カートリッジ交換手順
シングルレバー混合水栓のバルブカートリッジ劣化により水漏れが生じている場合は、カートリッジ交換をおこないましょう。
交換方法は次の通りです。
- 止水栓もしくは元栓を閉めて、水の流れを止める
- 上部蓋の留め具がある際には開けて、蓋を外す
- 蓋の内部にあるネジを取り外したら、そのままレバーを上に引っ張り抜き去る
- 蛇口本体をしっかりと押さえながら、カートリッジカバーを外す
- 内部のカートリッジも上にあげて外していく
- 新しいカートリッジと交換する
- 逆の手順で組み立て直し、水漏れが収まれば完了
ポイントとしては、カートリッジを外す際に蛇口本体も一緒に回してしまわないよう、固定しながらおこなうことです。
蛇口も回してしまうと配管がよじれてしまい、さらなる水漏れを引き起こしますので気を付けましょう。
排水トラップのゴムパッキン交換手順
排水トラップのゴムパッキンに不具合が生じて水漏れしているのであれば、パッキン交換が必要です。
交換手順は以下になります。
- 止水栓もしくは元栓を閉めておく
- シンク下の排水トラップを留めているパーツ類を取り外す
- 排水トラップが外せる状態になるため、上へ持ちあげる
- 排水トラップについているパッキンを新しいものに交換する
- 再度シンクに排水トラップを埋め込み、シンク下からナットなどを付け直す
- 隙間が埋まり、水漏れが直れば完了
まとめ
台所から水漏れが生じる状況はいくつかありますが、シンク下で水漏れが起きている場合は気が付きにくいです。
排水ホースの劣化や排水管のナットの緩みなど、些細なことで水漏れが生じることもあるため、普段からこまめに点検することが大事です。
また、蛇口の不具合などシンク上に原因が潜んでいて水漏れするケースもあります。
いずれの場合も、まずは止水栓や元栓を閉めて二次被害が広がらないよう対処することが大切です。
業者が来るまでの間に状況をきちんと記録し、汚れた部分の掃除をおこなうなど、時間を有効に使いましょう。
またパッキン交換などの簡単な修理であれば自分自身でもできます。
よってそもそも業者にお願いする必要性があるのかも、余裕があれば考えてみるとよいでしょう。