キッチンの排水のつまりは重曹やラバーカップで対応可能?解消ワザ4選
最近シンクの水が流れるのに時間がかかるなと感じるなら、それは排水が完全につまる前兆かもしれません。
毎日の料理から出る油や食材カス。
これらはシンクから排水管へと流れていき、汚れとして管内に蓄積し、水の通りを悪くしてしまっているのです。
キッチンの排水つまりは徐々に悪化していくのが特徴的で、今は大丈夫と思っていても、ある日急に全く流れなくなってしまうもの。
そうなる前に、自分でつまりを解消しましょう。
今回は、キッチンの排水つまりの解消方法についての解説です。
キッチンの排水つまりを自分で直すか業者に依頼するかの判断方法や、重曹やラバーカップを使った誰でも簡単にできるつまり解消ワザ4選をご紹介します。
手順はもちろん、効果を高めるコツや使用する道具の選び方についてもお伝えしていきますので、是非最後までご覧ください。
キッチン排水のつまりは自分で直せる
キッチン・トイレ・洗面台・浴室など住宅には様々な排水がありますが、中でもキッチンのシンクにある排水溝は特につまりが起きやすい場所です。
キッチンの排水つまりは排水管に蓄積された汚れが原因。
調理や食材などから排出される油が排水管の中で冷え固まり、その部分に食材カスや石鹸カスなどが付着し、排水の通りを細くしてしまいます。
このような状態になると、シンクからの排水に時間がかかるようになったり、排水時にボコボコと異音が聞えるようになります。
一度付着した汚れはそう簡単に落ちることはありません。
日頃から定期的に排水管のお手入れをしていなければ、汚れは増え続け、排水路を完全に塞いでしまうでしょう。
そうすると、シンクから全く排水されなくなり、排水つまりが起きてしまいます。
でも、つまりが起きたからといって焦ることはありません。
その原因によっては、自分で直すことが出来るからです。
排水つまり 直せるものと直せないもの
キッチンの排水管の直径は、一般的なもので40㎜。
この細い通りを塞いでいるのは油・食材カスです。
とはいえ、管内全体に汚れがこびりついているとは考えられず、つまりの原因となっている箇所は1、2か所程度でしょう。
つまりを直すには、この部分の汚れを取り除いてあげればいいのです。
一体どのようにしてつまりを取るのですか?
洗面所や浴室つまりの原因は髪の毛ですが、キッチンのつまりは油や食材カスなど、時間が経過するごとに落としにくくなるものです。
こういった特徴を捉え、キッチン汚れの性質に合った方法でつまりを解消することがポイントとなります。
キッチン排水つまり解消には下記4つの方法が効果的です。
キッチン排水つまり解消方法 | 油汚れ | 食材カス | 異物 |
---|---|---|---|
パイプ洗浄剤 | ○ | ○ | × |
重曹とクエン酸 | ○ | ○ | × |
ラバーカップ | △ | ○ | × |
ワイヤーブラシ | ○ | ○ | × |
あらゆる水回りの排水溝つまり解消に効果的だと言われるこれら4つの方法は、キッチンの油汚れや食材カスを除去する方法としても最適な方法です。
ただし、表にあるように、異物に対してはその効果は見込めません。
異物が原因なら業者に連絡すること
キッチン排水に流れてつまりの原因になる異物とは、下記のようなものです。
- スポンジ
- スプーン・フォーク・箸
- ペットボトルの蓋
等
プラスチックや金属など、水に溶けないもの、排水管に流してはいけないものを異物だと思ってください。
このような異物は、特殊な薬剤を使っても溶けません。
また、排水管内にあるものを動かして流そうとしても、その先に続く排水管のどこかで再度引っかかり、つまりの原因となってしまいます。
異物に対して自己対処を行うと、排水管自体を損傷させ、水漏れや浸水などの二次被害を起こしてしまうかもしれません。
つまりの原因が異物であるという自覚がある場合は、速やかに業者に修理の連絡をしましょう。
排水溝や排水ホース内に留まっている異物であれば、その部分を取り外し、異物を取り除いてくれるでしょう。
キッチン排水つまり解消ワザ4選
ここからはキッチン排水つまりを解消する4つのワザについて、コツや手順をお伝えしていきます。
しかしながら、この方法を試したからといって絶対につまりが解消されるというわけではありません。
つまりの原因や汚れの蓄積具合によっては、除去が困難になる場合もあります。
例えば、ラバーカップはつまりを解消するものとして広く知られているものではありますが、これはつまりの原因を動かして流しやすくするもの。
食材カスによるつまりでしたら効果テキメンですが、排水管内の壁にこびりついている汚れを動かすことはできないため、劇的な効果は見込めないでしょう。
だからといって、自己修理できないというわけではありません。
解消ワザ4つのうち、いくつかの方法を組み合わせて行えばよいのです。
蓄積された汚れなら、パイプ洗浄剤や重曹とクエン酸を使って汚れを溶かしたり、浮かせてから、ラバーカップでつまりを流す。
頻繁につまりが発生している場合は、ワイヤーブラシでこびりついた汚れを除去してつまりを直し、パイプ洗浄剤で管内の汚れをキレイにして今後のつまりを予防するなど。
いくつかの方法を組み合わせることで、つまりの解消や予防に役立てることが出来るでしょう。
作業を行う前の下準備
作業前には、下記4つの準備を行ってください。
- シンクに溜まっている水を汲みだす
- シンク周りが汚れないように養生する
- ゴム手袋を履く
- 排水トラップの分解
排水がつまりを起こし、シンク内の水が抜けにくい又は抜けずに溜まっている状態では、作業することが出来ません。
バケツや灯油ポンプ等を使い、シンク内の水をある程度抜いておきましょう。
作業中、特にラバーカップやワイヤーブラシを使う際は、周囲に水が飛び散り、キッチン周りが汚れる可能性があります。
汚したくないものは移動させ、ビニールシートや新聞紙などを敷いて養生しておくと汚れを防止でき、また後片付けもしやすくなるでしょう。
キッチン排水溝内は油や食材カスによるヌメリやヘドロが付着し、大変汚れています。
汚水が傷口に付着すると危険ですので、作業中はゴム手袋を着用しましょう。
排水トラップの分解
排水つまりを直す際、忘れてはならないのが排水トラップの分解です。
排水トラップとは、ゴミ受けカゴを外したら見える、丸いお椀上の蓋の周りに水が溜まっているもののことです。
トラップは下水管からの悪臭やガス、虫などを防ぐ重要な役割をもつもの。
排水溝の構造上、この排水トラップを外さなければ排水管は見えません。
トラップを付けたまま作業を行っても効果はありませんので、必ず分解し、排水管を露出させた状態にしておきましょう。
お椀型の蓋を左に回して外すと分解できます。
シンクから排水される水は排水トラップに溜まっている水(封水)を通り、溢れる形で内側の排水管へと流れていく仕組みです。
排水トラップを取り付けたままパイプ洗浄剤を流し入れても、排水トラップ内に溜まるだけで、排水管へは流れていかないのです。
排水管のつまりを取り除くには、排水管を露出させた状態にすること。
意外に忘れがちなポイントとなりますので、要チェックです!
重曹とクエン酸で汚れを浮かせる
排水つまりは、排水管で起きているとは限りません。
排水溝のゴミ受けカゴや排水トラップ内に蓄積された汚れが、排水を妨げている可能性もあるのです。
ゴミ受けカゴの中身は毎日捨てる、ネットをするなど対策をされている方も多いでしょうが、それだけでは汚れの蓄積を防ぐことはできません。
特に、普段掃除をしない排水トラップに関しては、蓋を外した裏側にヘドロ状になった汚れが付いていたり、封水に食材カスや油が溜まっている可能性もあるでしょう。
排水つまりが起こった場合は、排水管だけではなく、排水溝の部品も洗浄することが大切です。
排水溝の部品の洗浄におすすめなのが、重曹とクエン酸を使った方法です。
重曹とクエン酸を合わせると炭酸ガスが発生する、これは炭酸水の元となるものとして知られていますが、実は汚れにも効果的なのです。
炭酸ガスの気泡はタンパク質に反応して付着する性質があり、炭酸が汚れた箇所に付着し、浮かせて落とすという効果が見込めます。
発泡による物理的な洗浄効果に加え、弱アルカリ性による水垢除去の効果も期待できるため、台所つまり除去はもちろん、日頃のお手入れにも最適な方法といえるでしょう。
重曹とクエン酸の使い方手順
用意するもの
重曹 | 計量カップ1/4 |
クエン酸(お酢でも良) | 計量カップ1/2 |
お湯 | バケツ一杯位分くらい |
それでは、重曹とクエン酸を使った排水溝部品の洗浄方法をみていきましょう。
- 排水溝の蓋・ゴミ受けカゴ・排水トラップの蓋・排水トラップを外す
- 先に重曹をふりかける
- 次にクエン酸をふりかける
- お湯を軽くかける
- 発泡を確認したら30分~1時間程度置く
- 浮いた汚れを古歯ブラシ等でこすり落とす
- お湯で洗い流す
先に重曹、次にクエン酸をかけましょう。
順番が逆になると効果が薄まります。
発泡してから少し時間が経つと、こびりついた汚れやヌメリが浮き上がってきます。
そのまま流しても汚れは落ちますが、ゴミ受けカゴの網目の汚れは落ちにくいため、念のため古歯ブラシ等で擦っておくことをおすすめします。
パイプ洗浄剤でつまりの原因を分解する
キッチンの排水のつまり解消ワザの中でも最も手軽なのが、パイプ洗浄剤を使用する方法です。
スーパーやドラッグストアでも使われているパイプ洗浄剤を使用したことのある方も多いでしょう。
この道具はキッチンの排水管にこびりついた油汚れや腐敗した食材カスの洗浄に効果が見込めるものです。
ただし、製品の選び方・使い方次第ではその効果は薄くなってしまうでしょう。
ここではキッチンの排水つまりに効果的なパイプ洗浄剤の選び方と使い方手順をお伝えします。
パイプ洗浄剤の選び方
パイプ洗浄剤を選ぶ際には、製品パッケージに記載されている主成分を見てみましょう。
成分 | 効果が期待できる汚れ |
---|---|
水酸化ナトリウム | 油汚れ |
次亜塩素酸ナトリウム | 髪の毛 |
微生物 | ヌメリ・ニオイ |
キッチンのつまりには、油汚れを分解する水酸化ナトリウムが主成分として配合されたものを選びましょう。
高濃度の水酸化ナトリウムは医薬用外劇薬として扱われるため、市販されているものの上限濃度は5%以下となります。
製品を比較し、より濃度が高いものを選ぶと良いでしょう。
パイプ洗浄剤 効果的な使い方手順
パイプ洗浄剤を排水管内に入れる前に、ボトルを人肌程度のお湯に浸けて温めておきましょう。
油汚れとのなじみが良くなり、洗浄力アップが見込めます。
- パイプ洗浄剤を排水管の淵に沿うように流し入れる
- 製品パッケージに記載された時間放置する
- バケツに汲んだ40~50℃のお湯を排水管内に一気に流し入れる
排水管内の内側にこびりついた汚れに液が行き届くよう、縁に沿うように流し入れるのがコツです。
放置時間が長すぎると分解された油が再度固まってしまうおそれがありますので、放置時間は守りましょう。
ラバーカップでつまりを動かして流す
排水つまりを直す方法といえば、ラバーカップ。
これはトイレつまり解消道具として知られているものですが、実はキッチンや洗面所、浴室など様々な排水溝つまりに効果的なものなのです。
しかし、ラバーカップならどれでも良いというわけではありません。
排水溝の大きさとカップが合うもの、しっかり密着できるものを選ぶことが大切です。
ホームセンター等に行くと様々な大きさのラバーカップが販売されていますので、キッチン排水溝の直径を計り、合うサイズを選んでください。
ラバーカップ 効果的な使い方手順
ラバーカップを使う時、グッと押し込み、飛び跳ねないように静かに引き上げるという使い方をする方がいらっしゃいますが、この使い方はNGです。
ラバーカップは排水管内の空気を真空状態にし、引き抜くときの吸引力でつまりの原因を動かすもの。
正しくは、空気を抜くようにゆっくりと押し込み、勢いよく引っ張り上げて使うものです。
単純に押し込んで使うと、つまりを悪化させたり、排水管を傷付けてしまうおそれがありますので気を付けましょう。
ただ、勢いよく引き上げたときに周囲に水が飛散するため、しっかりと養生しておきましょう。
それでは、ラバーカップの正しい使い方手順についてみていきます。
- 排水口にラバーカップを置く
- カップのゴム部分が浸るくらいまで水を溜める
- 排水口に水平になるようにカップを密着させる
- ゆっくりと押し込み、カップを凹ませる
- 勢いよく上に引っ張り上げる
- つまりが解消されるまで繰り返す
ワイヤーブラシでこびりついた汚れを擦り落とす
ワイヤーブラシとは、排水管の中の汚れを物理的に除去できる道具で、パイプクリーナーとも呼ばれています。
排水溝つまりが起きたときに業者が使う道具としても知られていますが、ホームセンター等でも1000円~3000円程度で購入可能です。
つまりの原因箇所が分からない場合は長いものを選ぶ、排水管の直径とアタッチメントの大きさが合うかを確認することが大切ですよ。
ワイヤーブラシ 使い方手順
- ワイヤーブラシを組み立てる
- 排水口から入れ、ゆっくりと奥に入れ進める
- 抵抗があったら回転させたり上下に動かす
- 抵抗が無くなったら静かに引っ張り上げ、回収する
ワイヤーブラシを入れ進め、何かにぶつかり、それ以上先へ進まない場合は、そこがつまりが起きている場所と考えらえます。
ブラシを回転させたり上下に動かし、汚れを除去しましょう。
ワイヤーブラシの注意点
ワイヤーブラシは、つまり自己修理の最後の手段だと考えてください。
数ある方法の中でも難易度が高い方法であり、失敗した時のリスクが大きいからです。
特に排水管が塩ビ製のものや蛇腹ホースの場合は、ワイヤーを無理に押し入れてしまうことで、傷が付き、水漏れの原因となってしまいます。
カーブや接続部分で上手く操作できない場合は、速やかに使用を中止しましょう。
まとめ
ここまで、キッチンの排水のつまり解消についてお伝えしてきました。
キッチン排水つまりが起きるの原因の多くは、蓄積された油汚れによるものです。
そこに油汚れが更に重なったり、食材カスが付着することによって、排水の通りを塞ぎ、つまりが起きてしまいます。
でも、油汚れや食材カスなどによるつまりであれば、自己修理によって解決できる可能性があります。
本記事ではつまり解消ワザの中でもキッチンの排水溝つまりに効果的な4つの方法をご紹介しましたので、是非お試しください。
一般的に広く知られている方法でもありますが、製品の選び方や使い方次第でその効果はより高まるでしょう。
選び方や使い方のコツを意識して行ってみてください。
つまりの原因のうち、水に溶けない異物に関しては、自己修理はできません。
つまり解消の方法を試しても、つまりが奥に入ってしまったり、排水管を傷めてしまうなど、余計に事態が悪化する可能性があります。
明らかに異物を流してしまったという自覚がある場合は無理に対処しようとせず、早急に水道修理業者に連絡しましょう。