台所の排水溝のつまりは何が原因?掃除の方法や直し方を伝授します
台所で洗い物をしているとき、最近シンクの水が流れるのに時間がかかるなと感じていませんか?
それは、排水溝がつまっているのかもしれません。
どこでつまっているんだろう?と排水口の蓋を開けると嫌な臭いがする、茶色い汚れが見える。
これはすでに長年の汚れが蓄積され、あらゆる部分でつまりの原因が発生しつつある状態といえるでしょう。
ゴミが溜まるカゴを掃除している方は多いようですが、その下にある丸い部品を開けて掃除したことのある方は実に少ないようです。
台所の排水溝は他の水回りに比べ、内部に汚れが蓄積されやすく、つまりが発生しやすい場所です。
つまりの原因を除去しつつ、今後つまりを発生させないための対策が必要となるでしょう。
このページでは、台所の排水溝のつまりに関する情報をお伝えします。
台所特有のつまりの原因や排水溝つまりの直し方、普段のお掃除方法についてもご紹介しますので、是非最後までご覧ください。
台所の排水溝のつまりの原因
台所にある排水溝のつまりは、ある日急に起こることはほとんどありません。
多くのケースでは、シンク内の水が徐々に抜けにくくなっていき、そのまま数日経過すると完全に水が流れなくなります。
トイレのつまりの場合は、大量のトイレットペーパーを流した後すぐにつまりが起きるのが一般的。
では、どうして台所とトイレではつまりの症状が異なるのでしょう。
その原因は、つまりの原因にあると考えられます。
ほとんどの原因は油汚れ
台所と他の水回りとでは、排水溝に流れるものに決定的な違いがあります。
それは油です。
台所では料理を作り、調理や食事の際に使った鍋やフライパン、食器を洗います。
その際に流れていった油が、台所排水溝のつまりの原因の大半を占めています。
台所排水溝のつまりは、徐々に水が流れにくくなるのが特徴だとお伝えしました。
これは、台所で排水溝への流した油が排水管内に溜まっていくからです。
油が冷えると固まるというのは想像できるでしょう。
そして、一度冷え固まった油は水で簡単に流すことが出来ないことも。
排水管内でもそれと同じことが起き、ドンドン蓄積しているのです。
冬場につまりが急増する
冷えると固まる性質のある油。
汚れが蓄積され、排水管の水の通りが狭くなるとつまりが起きてしまいますが、油汚れが原因の排水溝つまりは特に冬場に起きることが多いと報告されています。
屋外を通る下水道管の冷気で、排水管は冷たくなってしまいます。
冬場は蛇口から出てくる水も冷たく、水で流すと排水管を流れる過程で冷え固まるという現象が起きてしまうのです。
洗い流す時、冷水だと排水管内で冷え固まりやすく、また洗い残りの原因にもなってしまうでしょう。
油を拭き取ってから十分な量のお湯で流すことが大切ですよ。
ゴミ受けカゴをすり抜けた食材カス
台所排水溝のつまりの原因で油の次に多いのが食材カスです。
固形物となるこれらは、排水溝内に既に蓄積した汚れに引っかかり、つまりの原因となってしまうでしょう。
台所の排水溝にはゴミ受けカゴがあるはずなのに、食材カスが流れるの?と疑問に思う方も多いはず。
でも実は、排水溝内に食材カスが溜まるケースはとても多いのです。
最新キッチンのゴミ受けカゴは目が細かく、小さな食材を通しにくいものばかり。
しかし、古いシンクやゴミ受けカゴの目が粗いタイプの場合は、小さな食材であればするりと通り抜けてしまいます。
米粒、ピーマンの種、パスタ、すりおろした具材などといったものは簡単に排水溝へと流れてしまうでしょう。
たとえ小さなものであっても油断は禁物です。
食材は腐敗してしまうため、つまりの原因だけではなく、悪臭の原因にもなり得るのです。
誤った流してしまった異物
例えば、スプーンやフォーク、箸などのカトラリーやスポンジ。
誤ってこれら異物を流してしまったことで排水溝がつまってしまうケースも少なくありません。
ゴミ受けカゴやトラップを掃除しようと外している間に流れてしまうことが多いようです。
トラップを外しているときに流してしまうとそのまま排水管へと流れてしまい、引っかかり、水の流れをせき止めるためつまりの原因となってしまうのです。
油や食材カスは薬剤等で溶かして流せますが、このような異物は溶かせませんので、物理的に取り出す以外方法はありません。
場合によっては排水管の交換が必要になるでしょう。
台所排水溝の構造について
この後、台所の排水溝を掃除する方法やつまりの直し方についてご紹介していきますが、適切な対処をするためにつまりが起こりやすい部分や汚れが溜まりやすい部分について理解しておく必要があります。
まずは、台所排水溝の構造について詳しくみていきましょう。
一般的な住宅にある台所排水溝の構造はどれもほぼ同じです。
上から排水バスケット(ゴミ受けカゴ)→排水トラップ→蛇腹の排水ホースの部品で構成されています。
ゴミ受けカゴを外すと、丸い部品の周囲に水が溜まっているのが見えるでしょう。
この部分が排水トラップと呼ばれる部分です。
溜まっているのは水封の水で、下水道管から上がってくる悪臭や虫を防ぐ役割を持っています。
トイレの便器内に常時溜まっている水や風呂場の排水溝も同じ仕組みとなっています。
シンクから流れていく水はゴミ受けカゴを通り、水封の水を通って排水トラップへと流れていきます。
その後はシンク下に見える蛇腹の排水ホースを通って排水管へと流れます。
台所排水溝の対処方法
このページをご覧の方の中には、すでに排水溝つまりが起きてしまっている人もいれば、最近水の流れが悪いから対策方法が知りたいという人もいらっしゃるでしょう。
ここでは、現在の排水溝の状況に合わせた適切な対処方法をご紹介します。
シンク内の水が流れていくのに時間がかかる、今までよりも流れが悪いと感じる方は下記表をご覧ください。
バスケット・ワントラップの掃除状況 | 原因と考えられる部分 | 対処方法 |
---|---|---|
定期的に掃除している | 排水管に問題ありの可能性 | パイプ洗浄剤での定期的なお手入れ |
これまで掃除をしたことがない | バスケット・ワントラップに問題ありの可能性 | つまりの原因を除去して掃除をする |
次項の対処方法
①
②
すでに排水溝がつまり、水が流れない方は下記表をご覧ください。
現在の状況 | つまりの原因と考えられるもの | 対処方法 |
---|---|---|
異物を流していないが排水溝の掃除はしていない | 蓄積した汚れ | つまりの原因を除去して掃除をする |
誤って異物を流してしまった | 流してしまった異物 | 異物を物理的に取り除く |
次項の対処方法
②
③
つまりの原因や症状によって適切な対処法は異なります。
現在の状況と表を照らし合わせて対処方法をご確認のうえ、次項へとお進みください。
排水溝の掃除方法とつまりの直し方
さて、ここからはつまりの原因や症状に応じた対処方法についてご紹介します。
- ①普段排水溝のお手入れをしているにもかかわらず水の流れが悪い場合
- ②これまで排水溝の掃除をしておらず、水の流れが悪い(つまりぎみ)場合
- ③誤って異物を流してしまった場合
以上、3つのケースの対処法について詳しくみていきましょう。
①排水管のお手入れ方法
排水バスケットやワントラップ部分を掃除しているのに水の流れが悪い場合は、排水ホースや排水管に蓄積した汚れが原因かも知れません。
普段のお手入れに、排水ホースや排水管の洗浄を加えましょう。
お手入れにはパイプ洗浄剤が最適です。
ドラッグストアやホームセンターで手軽に手に入れられます。
ただし、パイプ洗浄剤ならどれでも良いというわけではありません。
汚れに対応する薬剤が含まれているものを選ばなければ十分な効果を得られないでしょう。
パイプ洗浄剤の選び方
パイプ洗浄剤には様々な種類があります。
購入する際には製品情報を確認し、主成分に注目してみてください。
主成分 | 効果が期待できる汚れ |
---|---|
水酸化ナトリウム | 油汚れ |
次亜塩素酸ナトリウム | 髪の毛 |
微生物 | ヌメリ・臭い防止 |
上記表にあるように、主成分によって効果が期待できる汚れが異なります。
台所排水溝の場合は、油汚れに良い水酸化ナトリウムが多く配合されたものを選びましょう。
パイプ洗浄剤の効果的な使い方
普段からあらゆる排水溝のお手入れにパイプ洗浄剤をお使いの方は多いでしょう。
ただ流し込むだけでも一定の効果は見込めますが、効果的な使い方をすることでより洗浄力を高められます。
- パイプ洗浄剤のボトルをぬるま湯に入れてあたためる
- 排水バスケット、排水トラップを外し、排水管を出す
- 排水管内の内側に沿うように流し入れる
- 30分~1時間程度放置する
- お湯を勢いよく流す
放置時間が長すぎると溶けた汚れが再び固まってしまうかもしれませんので、時間は守りましょう。
最後に流す際は50℃くらいのお湯を一気に流し込むと、勢いによって汚れが流れていきます。
この方法は台所以外のあらゆる排水溝に活用できますので、是非覚えておいてくださいね。
②つまりの原因除去と排水溝の掃除方法
これまで排水溝の掃除をしてこなかった方は、排水口はもちろん、排水管内にも汚れが溜まっている可能性が高いです。
そこに食材カス等の固形物が付着し、水の流れを悪くしているのかもしれません。
まずはつまりの原因を除去し、今後のつまり防止のために排水溝のお手入れをしましょう。
ラバーカップでつまりの原因を除去する
スッポンとも呼ばれることのあるラバーカップ。
えっトイレのつまりに使う道具でしょ?と思った方も多いはず。
実はラバーカップはあらゆる水回りのつまり解消に使える道具なのです。
ホームセンターで、キッチンや浴室に使えるコンパクトサイズを手に入れることが出来ます。
- フタ、排水バスケット、排水トラップを外す
- 排水口にカップを置き、カップ先端のゴム部分が浸るくらい水を溜める
- ゆっくりとカップを押して空気を抜く
- 勢いよく引き抜く
- つまりが解消されるまで3~4を繰り返す
軽度のつまりであれば数回繰り返せば解消できるでしょう。
コツは、空気を全て押し出すようにゆっくりと押し込み、勢い良く引っ張ることです。
この方法でつまりが解消されない場合は次の方法をお試しください。
ワイヤーブラシで物理的に汚れを除去する
ラバーカップを使ってもつまりが解消されない場合、つまりがひどく固着している可能性が考えられます。
つまりの原因を直接取り除く作業が必要となるでしょう。
使用するのは、排水管に使用するワイヤーブラシという道具です。
ワイヤーブラシの先端にはブラシと螺旋状のドリルの2つが付いています。
螺旋状のドリルで汚れを掻き出し、ブラシでキレイにする仕組みです。
これはホームセンターで数百円~数千円で購入できます。
クランクタイプとストレートタイプがありますので、ご自宅の排水管の形状に合ったものを購入しましょう。
- フタ、排水バスケット、排水トラップを外す
- 螺旋状のヘッドを排水溝に入れる(カーブがある場合は角度を変えながら押し込んでいく)
- これ以上押し込めないところまで来たらハンドルを回し、汚れを削り取る
- 螺旋状ヘッドを抜き取り、ブラシヘッドを入れる
- 汚れを剥がすように動かしながら奥へ入れていく
ヘッドを押し入れていき、これ以上進むことができないところがあれば、そこがつまりの原因となっている可能性が高いです。
ハンドルを回して汚れを掻き出しましょう。
ワイヤーブラシの使い方はそれほど難しくありませんが、加減を間違えれば排水管を傷付け、水漏れ等のトラブルにつながる恐れがあります。
使用の際は無理な力で動かすことのないよう、十分お気を付けください。
排水溝の掃除方法
排水バスケットや排水トラップ部分には、油汚れや食材カスが蓄積し、ヘドロになって溜まっている可能性があります。
今後のつまり防止のためにも、しっかりと掃除しておきましょう。
排水バスケットの網目が汚れやヌメリで塞がってしまうとシンクからの水が抜けにくくなります。
ゴミが溜まる汚れやすい部分となりますので、中性洗剤と古歯ブラシ等を使ってマメに掃除しましょう。
ネットをかぶせ、それを毎日取り換えるとヌメリの発生を遅らせることができるでしょう。
排水トラップのお掃除方法は下記手順をご確認ください。
- 重曹(計量カップ1/4)、クエン酸(計量カップ1/2)を用意する
- フタ、排水バスケット、排水トラップを外す
- 2で外した部品と排水溝内に重曹をかける
- 次にクエン酸をかける
- 軽くお湯をかけて発泡したら、30分程度放置する
- 古歯ブラシ等で汚れを擦り落とす
- 40℃~50℃程度のお湯で洗い流す
重曹とクエン酸を合わせると炭酸ガスが発生し、発泡によってこびりついた汚れを浮き上がらせることができます。
長年掃除をしていなかった場合は落ちきれない汚れもありますので、古歯ブラシを使って残った汚れを除去しましょう。
③異物を物理的に取り除く方法
薬剤で溶けない異物(プラスチック・金属等)が流れてしまった場合は、まず排水バスケットを外し、排水トラップ内を見てみましょう。
大きいものであれば水封の水の中に落ちているかもしれません。
見つけたら手で取り外し、トラップ等に傷が付いていないかを確認しましょう。
異物を流した自覚があり、それが排水トラップや排水管の入り口で見つけられない場合は、自身での対処は困難です。
ラバーカップやワイヤーブラシを使用すると異物は動きますが、さらに奥の方へと落ちていく可能性が高いのです。
無理に取ろうとすると排水溝や排水ホースを傷めるかもしれません。
異物に手が届かない、異物が目視できない場合は、速やかに専門業者に連絡しましょう。
24時間対応してくれる所もありますので、ネット等で近くの業者を探してみましょう。
異物がある場所を特定し、専用の道具を使って取り出したり、排水ホース等を外して取り出してくれますよ。
まとめ
ここまで、台所の排水溝のつまりについてお伝えしてきました。
台所の排水溝がつまる原因の多くは、油汚れです。
冷えると固まる性質のある油がどんどん蓄積されたことによって、排水溝や排水管を流れる水の通りが悪くなったためだと考えられます。
また、食材カスやカトラリー等の異物によっても、つまりが発生します。
つまりは排水溝の中の排水バスケットや排水トラップ部分で起こりやすくなります。
お手入れをしなければつまりが発生してしまうだけではなく、ヌメリや悪臭の原因にもなってしまうでしょう。
ご紹介した掃除方法を参考に、定期的にお手入れしましょう。
つまりが発生している場合はパイプクリーナーやラバーカップ、ワイヤーブラシを使ってつまりを除去し、その後は掃除をしましょう。
異物を流してしまい、それが取り出せない位置にある場合、自己解決は困難です。
無理に取ろうとすると排水管や排水ホースを損傷させてしまう可能性がありますので、作業は水道修理業者に依頼しましょう。